マネージメント層以上こそ筋トレをやるべき理由『心理的安全性-最強の教科書(書籍)』で学んだこと
結論1(最後に結論2があります)
私が行き着いた結論は 経営層とマネジメント層こそ筋トレをやるべき という見解です。(あくまでも書評内での)
そして、このブログの全てを読む時間がない方へ1文でブログ内容のまとめをお伝えします。
「 筋トレと有酸素運動を行い、メンタルを鍛えて、会社では相手の立場になり、仕事(タスク)と人を区別してものを評価できる人間を目指そう 」
そして、私が気に入ったこの本での名言は「 メンバーは管理しないで支援をする 」です。
あらかじめお伝えしておくと、今回は元Google社員さん(ピョートル・フェリクス・グジバチ氏著)が出したの本の書評になります。
すみません。ブログのタイトルだけ見ると筋トレの話に聞こえますが、これはチーム評価の話になります。
どう個性を生かして、どうチーム作りを上手くしていくのか、本書の冒頭部分から中盤までを抜き取って、このブログでお話しいたします。
話の中心がマネージャーや経営層などのグループを率いる立場の人を対象にして、書かれています。
ただし、広い範囲の社会人への教訓となるような内容でしたので、どなたでもお読みいただけます。
なぜ筋トレ(運動)なのか
ここで本題の前にもう1つ。
なぜ、私の結論が「筋トレ」なのか?
理由として、本書ではマネージメント層以上にはかなりの人間性が求められると伝えているからです。
チームを、部を、会社を支援する重要な役職であるマネジメント陣は素晴らしいです。
その中で、どのように立ち振る舞うかを教えてくれるのが、本書であり、ここが筋トレが起こすメリットと繋がる点です。
筋トレで得られるであろう効果🔽
「 高い人間性 = 精神力 → 身体の健康 → (強い体) → 相手の立場に立てる = 筋トレで得る」
筋トレの心身への効果は過去の登壇記事を参考にしてください。
「ITエンジニアこそ筋トレをやるべき理由 徹底解説(With Google Cloud)というタイトルで登壇しました。 #devio2023」
全ての筋トレ者(トレーニー)がその限りではない
ただし、勘違いをしてはいけないのが、
「 筋トレをしているからといって、トレーニーの誰もが高い人間性を持っている訳ではない 」
これがとても重要です。
あくまでも、筋トレと運動の仕事での役目は、「 今よりも高パフォーマンス 」な状態を作る事であり、仕事の生産性を高めることです。
自分の根本の考え方や経験、そのレベルによって、筋トレ効果は左右されます。
(登壇時の私なので転載OKです)
ということはですよ、現在すでにマネージメント層以上で活躍している方が筋トレを行えば、さらに 「 最強なマネージメント 」がチームや会社に提供できる訳です。
この辺りは書評無しで、永遠と語れる話なので、筋トレの話を一旦終わりにして本書の内容に入ってみようかと思います。
心理的安全性
心理的安全性とは心地よい会社やチームの中での環境を意味します。
ただしこれにはいくつかの条件があり、ただの仲良しグループではない事が強調されています。
それは、自分自身をさらけ出してもチームの人に理解してもらえるという環境が重要であるが、ただしマネージャー的には成果を出していなければその意味がないといいます。
仕事の成果があるからこそ、心理的安全性という環境を作ることが重要となります。
そして、マネージャーは相手起点となる思考がとても大事であり、
それさえやっていれば問題ないというのはなく、それは逆に自分の固定概念に囚われている人の考え方であり、人により対応する形は無限です。
これだけ聞いてもかなり高い人間力が求められるな〜、と私はそう感じました。
やはり、こう言った精神力を鍛えるのは筋トレと運動につながる訳なんですよね。
プロジェクト アリストテレス
Google で昔行われたプロジェクト アリストテレスという 「どう言った環境が仕事の成果を上げやすいか」 という内容の観察実験がありました。
ここでの結論は、チームの個性やチームの能力が重要なのではなく、チームで協力することが、最も生産性の高い仕事を生み出すことができるという結果を見出しました。
さらに、各個人が下記を意識している場合に、チームの成果があがったようです。(上に行くほど重要性が高い)
- 心理的安全性
- チームへの信頼
- チームの計画目標
- 仕事の意味
- インパクト
これらからチームという用語を下記のような環境と言い換えることができるようです。
プロジェクトとチームは違う
プロジェクトとチームは違う。
これは、やらされる新人はチームではなく、ただのプロジェクトの一員になってしまうというもの。
N君の例の話は面白かったです。(著者が実際に聞いた話)
N君の話
経営陣に改善案を自主的に提出することになったN君。
N君:「改善提案を持ってきました これはどうでしょうか」
直属の上司:「いい案じゃないかもしかしたら採用されるかもよ」
役員会の上司:「これだと規模が大きすぎるから、もう少し規模の小さいところから始めてみてはどうだろうか いい案だが一旦却下します」
N君:「また提案しても新人だからと言って却下されるから、もうこういった提案はしたくないなと思ってしまいました、、(と直属の上司に)」
直属の上司:「残念だったな、、いい案だったのにまた頑張って、ニコニコ」
この話で改善が必要なのは直属の上司
ここで問題なのはN君でも役員たちでもなく 職場の先輩や直近の上司だと著者は言います。
なぜなら、N 君は頑張って時間を使ってしっかりと案を提出したという事実があります。
- N 君は頑張って時間を使ってしっかりと案を提出した
- 役員たちもしっかりとその案を見て今会社では大規模すぎると言って却下した
- ただ 小規模から始めてみてはと代替え案をしっかりと提案している
ここで指摘したいことは、職場の先輩や直属の上司は、またN君に案を作らせるようなしっかりとしたフォローアップをすることが重要でした。
表面的な優しさや忖度を求められる職場が多いのが日本であり、意見の対立がない=良い職場という訳ではない。(ただし、対立ばかりなどは問題です)
心理的安全性の定義
改めて今回で1番重要な概念である心理的安全性の定義について、復習します。
「 対人関係で意見の対立があっても、人間関係や立場に弊害がないこと 」
著者は、職場環境の区別を次の2つの表現で表していました。
- ナイスな職場
- いいねとかしか言わない職場
- カインドな職場
- 相手を尊重しつつ、意見を言える職場
情報の共有性が大事
より多くの知識や情報を持ってる人が社内でもよりいい立場や、よりスピーディーな動きをできることは明らかです。
しかし、上司などが情報を共有しない、部下への情報共有が適切にされていない環境が多くあるのも事実だといいます。
心理的安全性の高い職場では、どの立場にいても情報にアクセスできる。これがとても重要なことです。
人事評価や会社の方針転換もその情報の一部であり、上司やマネージャーからのフィードバックについても同じで、適切に管理されていない不明確な評価は情報の共有性に欠けるといいます。(ただし、情報の与えすぎも混乱を招く場合があるため、情報の出し方も大事)
対立が全くない職場は危険と著者は言いい、職場は成果を出す場所なので、建設的な意見の交換立場による意見の食い違いなどは許容するべきであり、それが新しいアイデアや知見に繋がる。
(ただし意見の対立=反対意見という認識ではない、基本スタンスとしては、相手の意見を受け入れることが重要である)
対話と会話は違う
会話は日常的な会話であり、対話はお互いの理解を深め合う創造的な会話である。
また、意見の対立があるのはお互いのことをよく知らないために起こるもので、マネージャーには自己開示が必要とのこと。
たとえ お互いの意見が近くてもその奥にある本質をお互いで尊重し合いそこでの対話を行うことで、意見の対立が建設的なものになる。
ここで大事なのは先ほども言ったように、目標がしっかりと共有されていれば、意見の対立があっても最終的にはゴールが同じとなる事で、有用な対話になり得ることです。
マネージャーとしての心得
職場の心理的安全性はマネージャーによってかなり左右されると著者はいいます。
ここで 著者が最も重要で伝えたいことは「 人に優しく 結果に厳しく 」ということ。
これは人とタスクを区別して判断することであり、会社の評価において、とても重要となる点です。
ある事例での質問
「メンバーが商品紹介文を作成し それをマネージャーに提出してレビューして欲しいと言ったが、ただ内容には、実際に読んでみるとユーザーに誤解を招くような表現がいくつか含まれていた。」
あなたが上司なら、どのようにフィードバックしますか?
もちろん批判だけは❌(丁寧な言い方でも批判のみであれば❌)
少し答えを言うと「 タスクに関してはネガティブフィードバック 」 「 やったことに対してはポジティブなフィードバックを行う 」
こちらは自分の考えを答えてみてください。
メンバーは管理しないで支援をする
ここで著者は問います。
あなたにとって、管理職とはどういう意味ですか? 管理職の意味を答えてください。
今の日本では、部下を管理する、人を管理する こういったニュアンスが大多数を占めています。
この人を管理するということは、著者にとっては受刑者のようなイメージだといいます。
人を必要以上に管理することは人をものとして扱うことと同じ。
大切なことは、「 管理が目的ではなく目標を達成するためが本質であり そのプロセスを認知していくことが重要である 」
その具体的な方法としては、下記のような対応が例として挙げられています。
- 今ネックになっていることは何ですか?
- 私にサポートができることがあれば言ってください
これは一人一人のメンバーが最高のパフォーマンスを発揮できる環境を作るのはマネージャーの役割だということを示しています。
優しい言葉で言っていても自分の考えを押し付けたり 性別や立場年齢などで、無意識的に差別をするマネージャーは存在すると著者は語ります。
結局、自分起点で物事を考えるマネージャーのチームは成長しない場合が多いそうです。
大事な心得としては、
「 常に支援職であることがマネージャーである 」
その中で、しっかり者の人、お調子者の人、、、このように、真逆な性格のメンバーが存在していても目標や会社やチームの理念を共有しておけば問題は起こらない。
価値観の違いを許容した対話を行い、議論を発展させていくのがマネージャーに必要な能力だと問いています。
まとめ
マネージャーはカメレオン
ここまでは本の1/3程度の内容です。
この本で伝えているのは、心理的安全性を達成するためにはマネージャーの力が重要だと言います。
確かにここで言っていることはかなり人間性の高い能力が求められることであり、誰しもができるものではありません。
私がここで感じたのはマネージャーは一種のリーダーという場面もありますが、周りと強調し、さらにその場を発展させることができる支援者というイメージを持ちました。
この本で言う管理という言葉にも好意的な印象を受けました。
人の管理をするのではなく、タスクの管理をする、 ただそのタスクの管理もしすぎると人の管理になってしまう。
それは、相手の性格や言動などに合わせて対応していくことがマネージャーに求められる能力だ。そのように私は理解しました。
チームスポーツとの因果
私はこれまで野球というスポーツで、十何年間もプレイしてきました。
基本的にはキャプテンやエースといったチームをまとめる立場で率先して行動していました。
今考えると部活やクラブチームという狭い枠の中で、きつい練習に耐えその中でチームメイトを支援する、そういった能力が当時求められていた記憶があります。
学生時代の団体スポーツの中で、人間性を磨くというのはこういった社会人として生きるための、準備になるのだと個人的に思いました。